「KUBO/クボ 2本の弦の秘密」は「物語」好きな人におすすめ。
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はじめに
みなさん、こんにちは!かーちゃんです。
今SNSを中心に話題沸騰の「KUBO/クボ 2本の弦の秘密」を見てきました。
始まって数秒で「すごい・・・」となりました。
この映画が話題沸騰な理由、それは「全編ストップモーション」で作られた作品であるということ!
ストップモーションというのは、人形やセットを一コマ一コマ動かしながら撮影してそれをつなぎ合わせていく技法のこと。
あまりにも手がかかりすぎていて、シーンによっては1時間で約3秒分しか撮影が進まなかったのだとか。
『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』スタジオライカ メイキング映像特別公開!
(ちなみにこの動画で流れている「While My Guitar Gently Weeps」は字幕版EDに使用されています。ちなみに吹き替え版は吉田兄弟が演奏を担当!)
ここまでくるともはや変態レベルなのでは・・・!
と、いうことで感想書いていきます。
あらすじ
三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという、不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父にねらわれ、クボを助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。
父母の仇を討つ旅に出たクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知り──。かつて母と父に何があったのか?三味線に隠された秘密とは? 祖父である〈月の帝〉と相対したとき、全ては明らかとなる──。
本編キャストは
- シャーリーズ・セロン
- マシュー・マコノヒー
など、めちゃめちゃ豪華。
吹き替え版キャストも
- 田中敦子
- ピエール瀧
など、こちらも豪華な声優・俳優陣を起用しています。
製作したのは「スタジオライカ」。
「コララインとボタンの魔女」など、ストップモーションアニメで知られています。(日本で公開されていないものも・・・!クボが人気出てライカ作品がもっと日本に流通しますように!)
この作品の何がすごいのか?ネタバレ含め語っていきます!
全体の感想
[出典:映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』中世日本が舞台のストップモーションアニメ、スタジオライカ最新作 | ファッションプレス]
物語で活躍するのはこの3人!
右からサル・クボ・クワガタ。
サルは、クボの母親が亡くなる前に、クボがお守りとして持っていたサルの人形に命を吹き込んだもの。
クワガタは、「はっきりした記憶がないが、ハンゾウ(クボの父親)に仕えていたことだけは覚えている」という正体不明な存在。
そんな3人で、クボの祖父である「月の帝」を倒すべく、唯一の対抗手段となる「3つの宝具」探しの旅に出ます。
一つ目の秘宝は、「折れずの刀」。
しかし、もちろん一筋縄ではいきません。
折れずの刀は、なんと「ガシャドクロ」の頭に刺さっていた!!
クボは三味線の音色で折り紙を操ることができます。
また、サルがやたらめったら強く、クワガタも「空を飛ぶ」を使い、抜群のコンビネーションで突破。
この調子でどんどん物語は進んでいくのですが、強敵が現れます。
「闇の姉妹」です。
実は闇の姉妹は、クボの母親の妹であり、「月の帝」の子供。
「月の帝」から命令され、クボのもう一つの目玉を狙っています。
そして、ここでもう一つ秘密が明らかに。
なんと、一緒に冒険してきたサルは、なんとクボの母親の魂が入ったサルだったんです!
ずっとサルの身ではいられないから、クボに2回も母親を失う悲しみを味わわせたくない、という思いから秘密にしていたようです。
そして、3つ目の秘宝「敗れずの兜」。
これがなぜか「父親のハンゾウの家にある」と知らない男に夢で言われたクボは、それを信じて家に向かうのですが、実はそれは「月の帝」の罠。
そこには偽の兜と闇の姉妹が待ち受けていました。
ここでもう一つ秘密が明らかになります。
それは、一緒に冒険してきたクワガタは、父のハンゾウだったということ!
どうやら闇の姉妹によって、姿を変えられ記憶を消された状態で放置されていたよう。
ようやくできた親子の再会もつかの間、なんとクワガタは闇の姉妹の手にかかって亡くなってしまいます。
「息子よ」の後の、サルとクボとクワガタの絶望的な表情が悲しい・・・
そしてサルも、魔法が溶けてサルの人形に戻ってしまいます。
せっかくクボは家族と再会できたのに、一人になってしまう描写が悲しくて。
その後、クボは不思議な三味線の力を使って闇の姉妹を撃破。
本当の兜がある、以前母といた場所の近くの村に移動します。
ラスト
ここで月の帝と対峙します。
月の帝は、痛みもなく苦しみもない極楽浄土に一緒に行かないか、とクボを誘います。
クボの母親がハンゾウと、恋という愚かなものに落ちてしまったせいで、自分の計画が台無しだ、とも。
しかし、クボは「それはあなたの物語だ!」と一蹴します。
クボにとっては、苦しみが痛みがあったとしても、人の愛があるこの世に生きる。
そして、人の愛を怖がる月の帝にもっとも効果的な方法で戦いを挑みます。
それは、先祖を思う日本人ならではの習慣、「灯籠流し」です。
お盆の始まりに迎えた先祖を、またあの世へ送る儀式ですね。
村人の先祖を思う気持ちと、先祖の子孫を思う気持ちで見事月の帝は、普通に生きるおじいさんへと戻ります。
この映画のラストのすごいところは、クボは月の帝に両親が殺された復讐をするのではなく、普通のおじいさんとして新しく幸せな物語を与えてあげるところです。
普通なら両親が殺されたんだから憎んでもおかしくないはずですが、村人もクボも「あなたはとっても優しい人だった」「みんなクボを愛しているのよ」と、新たな物語を語ってあげるのです。
最初見たときは、「そんなあっさり許してもいいの!?」と思ったのですが、これこそこの映画で描きたかったことなんじゃないかなぁと思ったり。
映画中でも、
「一つの物語が終わっても、どんどんん下の世代へ語り継がれていく」
「物語の終わりは、新しい物語の始まり」
というセリフが何度が出てきます。
クボが月の帝と対峙した時点でその物語は終わり。
新しい物語を作るときは、月の帝や闇の姉妹が作り出したようなくらい物語でなく、明るい物語を作っていくことに意味を見出したのかな、なんて考えています。
おわりに
という感想でした。
勧善懲悪的な感じで、敵をやっつけてはい終わりーというラストでなかったのも印象深かったです。
エンディングで、「2本の源である父親と母親に感謝を捧ぐ」と出てきて、サブタイトルはそういうことやったんかーーー!!とここでまた涙腺が緩みました。
冒険活劇にワクワクしたい人、家族愛を見たい人、綺麗な映像を体感して見たい人、どんな人にもオススメできる作品だと思います。
ではまた!